表面処理とは
表面処理とは、材料の表面に処理加工を行い、耐食性、耐摩耗性等の様々な特性を加えたり、製品の意匠性を向上させる働きがあります。
多くの方法、種類があり、それぞれ加えられる性能や見た目が異なります。
金属皮膜処理
素材の表面に金属の被膜を作る処理です。(電気めっき、無電解めっき、溶融めっき、ダクロ、ジオメット)
非金属処理
素材の表面に金属以外の被膜をつくる処理です。(塗装)
陽極酸化処理
素材の表面を人工的に酸化させて被膜を作る処理です。(アルマイト)
化成処理
素材を化成液に浸すことで素材表面の性質を変化させる処理です。(黒染め)
表面処理の種類
種類 | 色調 | 特徴 | 耐食性 | RoHS対応 | ねじ勘合性 |
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三価クロメートめっき | 亜鉛めっきを下地に三価クロメート処理を施した製品 | ○ | ○ | ○ | |
六価クロメートめっき | 亜鉛めっきを下地に有色クロメート処理を施した製品 | ◎ | × | ○ | |
三価黒色クロメートめっき | 亜鉛めっきを下地に三価クロメート処理(黒色)を施した製品 | ○ | ○ | ○ | |
ユニクロめっき | 亜鉛めっきを下地に光沢クロメート処理を施した製品 | △ | × | ○ | |
六価黒色クロメートめっき | 亜鉛めっきを下地に有色クロメート処理(黒色)を施した製品 | ◎ | × | ○ | |
溶融亜鉛めっき | 高温で溶かした亜鉛にドブづけすることで表面に亜鉛層を付着させます | × | △ | ||
ニッケルめっき | 光沢を有するきれいなめっきで装飾目的で使用されることが多いです | △ | ○ | ○ | |
黒ニッケルめっき | 光沢を有するきれいな黒色めっきで装飾目的で使用されることが多いです | △ | ○ | ○ | |
無電解ニッケルめっき | 膜厚を均一に管理することが可能です 寸法公差が厳しい部品に採用されることが多いです | ○ | ○ | ◎ | |
クロームめっき | きれいなシルバー色でアクセサリー等にも使用される装飾用めっきです | ○ | × | ○ | |
ラスパート | 耐酸性、耐アルカリ性に優れた処理で屋外用品に使用できます | × | △ | ||
ディスゴ | 耐熱性、耐候性、耐薬品性に優れた処理でクロムフリーの環境にやさしい表面処理です | ○ | △ | ||
ジオメット | 亜鉛フレークとアルミフレークを混合した処理液に浸透させ焼付けして塗膜を形成します。環境対応の表面処理です | ○ | ○ |
表面処理の評価方法
耐食性試験
中性塩水噴霧試験
製品に中性の塩化ナトリウム溶液を噴霧して腐食状態を定点観察する方法です。
24時間、48時間、72時間、96時間等、時間毎に腐食進行度を観察します。
キャス試験
塩水噴霧試験よりさらに条件を厳しくした試験です。
酢酸酸性の塩化ナトリウムに塩化銅を添加した溶液を噴霧する試験方法です。
めっき厚さ試験
電解法
めっき被膜を陽極として電解液中で電解を行い、試験に費やした電気量、時間、溶融金属量から膜厚測定を行う方法。
蛍光X線法
対象物にX線を照射して放射される蛍光X線の強度を測定してめっき厚さを求める方法。
おすすめ表面処理
JNコート:高耐食トップコート
めっき処理に塗装の技術を融合した亜鉛・亜鉛合金めっき用の高防錆性コーティング。
特殊シリカ系オリゴマーを使用した高防錆性コーティングです。
防錆の原理
①バリアー効果
JNCoat皮膜は非伝導性のため、高いバリアー効果が得られ、金属間の腐食電位の発生を防止します。
②高い密着性
JNCoatが下地の金属と化学結合するため優れた密着力が得られ、錆の進行・拡散を防ぎます。
③修復効果
JNCoatはシリカ系オリゴマーを含有しているため、キズに対し修復効果が得られます。
処理工程
詳しくはJNコート製品ページをご覧ください。https://yht.co.jp/products/jncoat/
SGめっき:溶融アルミ合金めっき
亜鉛をベースにアルミニウム5%とマグネシウム1%を添加することで溶融亜鉛めっきの10倍の耐食性を実現しています。沿岸地域、融雪剤を使用する道路付近での使用に最適です。又、RoHSにも対応しており環境にやさしい表面処理です。
SGめっきの特徴
①耐食性が抜群に高い
塩水噴霧試験において通常溶融亜鉛めっきの10倍の耐食性。特に塩害に強く、沿岸部、融雪剤を使用する道路付近の鋼鉄製品の防錆に最適。
②塗装下地として優れている
化成処理性がよく、塗装との強固な密着性が長期に渡って確保できる。
③大型、大量にも対応するパワー
8000L×2000W×2500Dの大釜。3000t/月の生産能力。(ミナト西工場)
④環境に優しい表面処理
RoHS指令(EU地域での特定有害物質の使用禁止)に適合。六価クロムフリー。鉛(Pb)カドミウム(Cd)レス。(高純度亜鉛使用 JIS H 2107)
※クロム酸処理の有無により、六価クロムフリーとそうでない物を選択することが可能です。
詳しくはSGめっき製品ページをご覧ください。 https://yht.co.jp/products/sg_mekki/
以上、ねじの表面処理に関する解説でした。上記以外でも表面処理・めっきについてお悩み事がございましたら是非当社へご相談ください。